冬を乗り越えて

気づけば半年ほど経っていた。

あれよあれよと仕事が舞い込み、受験と仕事で大忙しの年末。

一月、母が体調を崩し入院。

日中仕事をし、夕方には料理のできない父親のご飯を作って取りに来てもらい、娘たちをそれぞれの塾へ送迎する、という日々を送っていた。

 

怒涛の一ヶ月がすぎた頃、恩師の訃報を知った。

あまりのショックに、ただただ呆然としてずっと動けなかった。

昨年の年賀状で、みんなでたこ焼きパーティーしましょうというお返事を頂いていた。

ものすごく嬉しくて、すぐにでも伺いたかったけれど、万が一コロナを先生にうつしてしまったら…と躊躇した。

コロナが落ち着いたら会いに行こうと同期と話していたので、会いに行かなかったことがひたすら悔やまれる。

今だから話したいこと、聞きたいこと、教わりたいことがいっぱいいっぱいあったのに…

先生のお陰で音楽の仕事が続けられていますって、先生に感謝を伝えたかった。

気持ちが切り替えられないままでいた。

 

母は退院したものの、家事のサポートなどしつつ、コロナやインフルにかからないよう最大限気をつけながら、娘たちの私立受験、公立受験、卒業式…と過ぎていった。

 

無事公立に合格し、そのあとは説明会や入学準備に追われていた。

そんな中、恩師のお別れ会の開催が決まり、お手伝いをさせて頂くことになった。

仕事そっちのけ…とまではいかないが、同期と動画制作などに追われ、とても充実していたし、恩師がいかに偉大な人だったのかを、改めて思い知る機会となった。

音楽に対してもっともっと本気になって頑張らなくては、と同期で誓った。

それもこれも、恩師のお陰。

頑張れ、と恩師が背中を押してくれたのかもしれない。

 

この春から娘たちが高校生になるので、今のうちに、と家族旅行へも行った。

やりたいこと色々詰め込んだので、移動も多くバタバタの旅行になったけど、家族みんなすごく充実したものになった。

 

振り返るとなかなかに大変な半年だったな…

でも実りの多い時間ばかり。

恩師の死も糧にして、音楽と生きて、生きていかねば。